クレジットカードは色々な会社が発行しています。三井住友カードのVISAカードだったり、イオンカードのVISAカードだったりとありますが、同じ三井住友カードの中でもVISAとMastercardを選ぶ事ができます。
そもそもVISAやMastercardって何が違うの?と思われた方や、カードを申し込む際にどっちを選ぶか迷う、という方は多いのではないでしょうか。
結論からいうと、VISAでもMastercardでも基本的にどちらでも大丈夫です。国内も海外もVISAが使えるところはMastercardも使えることがほとんどです。しかし後述しますが利用するサービスによっては、Mastercardがおすすめになります。
今回は国際ブランドについてや、VISA(ビザ)とMastercard(マスターカード)の違いについて解説していきたいと思います。
VISAやMastercardの違いを比較
VISAやMastercardなどの名称は国際ブランドというものになります。
国際ブランドとは?
カードには必ずVISAやMastercardといった国際ブランドがついていますが、カードを申し込む際に選択肢が出てきてどっちを選ぶか迷った経験がある方も少なくないはず。そもそも国際ブランドとはなんなのでしょうか。
国際ブランドとは、クレジットカードの決済に世界中で共通して利用することができる決済システムを提供している会社のことです。
代表的な国際ブランド次のようなものになります。
- VISA
- Mastercard
- Union Pay(銀聯)
- American Express
- JCB
- Diners Club
普段利用するお店や、コンビニやスーパーなどのお店の入り口やレジ周辺には、VISAのマークだったりMastercardのマークがあるのを見かけたことがあると思います。
そして、みなさんがお持ちのクレジットカードにも必ずVISAやMastercardだったりと、ロゴマークがあると思います。
これが何を意味するかと言いますと、VISAのロゴマークを掲げているお店ではVISAのロゴマークが入ったカードで、お支払いができるお店、ということです。
国際ブランドのシェア率
国際ブランドとしてのシェアが大きければ当然それだけ利用できるお店が多い傾向にあります。国際ブランドは上述したVISAやMastercard以外にも様々なものがあり、現在では日本国内でも利用できる国際ブランドとシェア率は以下のものになります。
- VISA:58%
- Mastercard:26%
- Union Pay 銀聯:10%
- American Express:3%
- JCB:1%
- Diners Club:1%
NILSON REPORT 2015年3月のデータより
VISAとMastercardのどちらが国内で使えるお店が多いの?
シェア率でいえば上述したデータの通りになっていますが、じゃあVISAだけが使えるお店が圧倒的多いのかといえば、そうではありません。
日本国内でいえば利用できるお店にほとんど差はなく、VISAが利用できるお店では基本的にMastercardも対応しています。
クレジットカードが利用できるお店で、どちらかしか対応していないというお店は現在、基本的にないと言ってもいいぐらいです。
ただ、上記のVISAとMastercard以外の国際ブランドにおいては、対応していないお店もあります。
例えばAmerican Express(アメリカン・エキスプレス)通称アメックスの場合、加盟店数の少なさゆえに、利用できるお店はVISAなどと比べると限られていました。ですが現在アメックスは日本国内ではJCBと提携しています。日本発の国際ブランドであるJCBと提携することで、JCBが利用できるお店ではアメックスも利用できるということになります。
なのでアメックスに関していえば、日本のメジャーなところではほぼ問題なく利用できると考えて問題ないと思います。
VISAやMastercardの海外で利用できるお店に違いはある?
数年前まではアメリカで利用できるお店が多いのがVISAで、Mastercardはヨーロッパで強いと言われていました。現在はこちらも国内同様ほぼ違いはありません。
VISAが使えるお店ではMastercardも使える場合がほとんどです。
理由として、お店側の決済端末機がどちらかにしか対応していない、ということがなくなってきているので基本的にクレジットカード決済に対応しているお店ではどちらも使えるというのが一般的です。
VISAやMastercard以外の国際ブランド
VISAやMastercardでは上述した通りですが、例えば国内発ブランドのJCBは日本国内ではほぼ利用でき、海外も日本人が観光でよく行くような場所では利用できるものの、少し観光スポットを離れると利用できないシーンも少なくありません。
また、中国では最近急速にシェアを拡大しつつある中国発のUnion Pay(銀聯)というブランドが大きくシェアをとっており、Union Pay(銀聯)以外はVISAやMastercardでさえ都市部以外は利用できない場合が多いです。
利用できるサービスの比較、コストコやApple Payを利用する人はMastercardがおすすめ
ここまで、VISAとMastercardにほとんど違いはないのでどちらを選んでも大丈夫と言ってきましたが、コストコ、Apple Payを利用される方はMastercardを選んだ方がいい場合があります。
コストコでクレジットカードで支払うには、Mastercardしか使えない
2018年2月より、コストコで使えるクレジットカードはMastercardのみ対応となりました。なので、VISAやアメックスで支払いたいと思っても受け付けてもらうことはできません。
コストコでは以前アメックスしか利用することができなかったのですが、アメリカのコストコでは2016年よりVISAのみとなり、日本では2018年2月よりMastercardに変更になったという経緯があります。
これはコストコの利用できる国際ブランドを限定することで国際ブランドへ支払う手数料を抑えるという狙いがあると思われます。なのでコストコの戦略が変われば、また利用できるカードが変わる可能性もありますね。
VISAはApple Payの利用に一部制限がある
iPhone 7以降で利用できる、iPhoneで支払いできる便利なApple Payですが、実はApple Payに登録するクレジットカードの国際ブランドがVISAだと、一部機能に制限がかかります。
その制限とは、Apple Payを使ったオンライン入金やオンライン決済が利用できない、ということです。
- VISAカードのApple Payを介した実店舗の支払い:できる
- VISAカードのApple Payを介したオンラインサイトの支払い:できない
- VISAカードのApple Payを介したSuicaのチャージとApp内の支払い:できない
ただしこれは、個人的な意見ですがあまり問題にならないと思います。
クレジットカードというものにまだあまり馴染みのない方だとあまりピンとこないかもしれませんが、Apple Payのオンライン決済というのは「Apple Payを介した」決済のことで、当然ですがVISAを普通にクレジットカードとしてオンライン決済して使うことはもちろんできます
というのも、Apple Payを使った決済に対応したサイトはまだあまりなく、そもそもみなさんサイトで何かを購入する時って普通にクレジットカードを登録して購入すると思います。
Apple Payはカード番号をサイトに登録しないですむというセキュリティ上のメリットはありますが、そもそもApple Payに対応しているサイトは少なく、2019年3月時点でAmazonですら対応していません。対応していないサイトであれば普通にカード番号を入力して購入するしかありません。
VISAカードでもSuicaアプリを使ってチャージできる
iPhoneでSuicaにチャージする方法は2通りあって、「Wallet」アプリを使ってApple Payでチャージする方法と、「Suicaアプリ」を使ってクレジットカードチャージする方法があります。
Mastercardはもちろんどちらの方法も使えますが、VISAの場合は「Wallet」アプリからチャージができません。
ですが、Suica公式アプリをインストールしてSuicaアプリの支払い方法として、使いたいVISAカードを登録することで、Suicaアプリから通常のクレジットカード決済としてチャージすることができます。
なので、Apple Payに関してはVISAでもそんなに大きな問題はないと思います。
当然ですがカードの右下にVISAのロゴが入っているカードはすべて同じ制限があるので、Apple Pay対応と言っている三井住友カードのVISAであっても楽天カードのVISAであっても同じ制限があります。
迷ったらどちらも作成するのがおすすめ
個人的には、VISAはシェアもあり、海外も含め利用できないお店もほぼないのでとりあえずVISAは持っておくのがおすすめです。ですが上述したように、コストコでクレジットカードを利用するにはMastercardでないといけないことや、Apple Payの一部制限などの問題がここ最近ではあること、万が一にも海外でVISAに対応していないお店があった場合などを考え、Mastercardも作っておくことをおすすめします。